エンゲージメントが低下したら?低下する会社の特徴や高める方法も

会社に対する「愛着心」や「愛社精神」を指すエンゲージメント。日本人のエンゲージメント指数は世界最低とも言われていますが、そもそもエンゲージメントはどのように低下するのでしょうか?

この記事では、エンゲージメントについて詳しく解説するほか、エンゲージメントが低下する会社の特徴や高める方法について紹介します。

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1. 日本人のエンゲージメント指数は世界最低?

世界最低とも言われている日本人のエンゲージメント指数。エンゲージメントとは、どのような意味なのでしょうか?ここでは、エンゲージメントについて詳しく解説し、日本人のエンゲージメント指数に関する調査を紹介します。

エンゲージメントは3要素から成り立つ

エンゲージメントとは、会社に対する「愛着心」や「愛社精神」のことです。「会社の目標や戦略を理解し、自分の能力を意欲的に発揮している状態」という意味で使われています。エンゲージメントを高めることで、生産性を向上させ、離職率を低下させることが可能です。

エンゲージメントは3つの構成要素があると言われています。
1つ目は、「貢献感」です。会社や組織、周囲の人に貢献していて、組織の将来のことを考えて行動しているという感覚が当たります。

2つ目は、「適合感」です。組織を魅力的に感じ、会社のカルチャーに合っている、この会社が自分らしい場所であるという感覚を指します。

3つ目は、社員同士で協調性を持って仕事をしているかという「仲間意識」です。仕事というつながりなしに付き合っていきたい仲間がいたり、価値観を理解し合い、信頼できていたりするという感覚がこれを指します。

これら3つの要因を満たすことで、エンゲージメントが高くなります。

日本人のエンゲージメント指数

それでは、日本人のエンゲージメント指数はどのくらい低いのでしょうか?

アメリカの人事コンサルティング会社「KaneXa High Performance Institute」が世界28カ国のエンゲージメント指数について調査を行っています。日本をはじめとし、アメリカや中国、イギリス、フランスなどの28カ国で、従業員100名以上の企業を対象に調査を実施。その結果、日本のエンゲージメント指数は31%と最下位になりました。

世界最高はインドの77%、その次に67%でデンマーク、63%でメキシコと続きます。主要国としては、5位のアメリカが59%でしたが、イギリス、ドイツ、フランスは40%後半となっています。日本のエンゲージメント指数は、他の先進国に比べても圧倒的な低さと言えるでしょう。

2. 従業員エンゲージメントが低下する会社の特徴

従業員エンゲージメントが低い会社には特徴があります。ここでは、従業員エンゲージメントが低下する会社の特徴を3つを紹介。当てはまる特徴がある場合は、「エンゲージメントを高める3つの方法」も確認しましょう。

従業員のモチベーションが低い

エンゲージメントが低い会社では、従業員のモチベーションも低いのが特徴です。仕事へのモチベーションが低いと、仕事にやりがいを感じず、ネガティブな発言をしたり、無気力状態で業務を行っています。

モチベーションが低い従業員は、企業の目標や目指す方向を理解していないことも多く、周囲へ悪い影響を与えるでしょう。その結果、周りの従業員もモチベーションを下げ、自分の能力を意欲的に発揮できなくなってしまいます。

社員間のコミュニケーションがほとんどない

社員間のコミュニケーションがほとんどない企業では、エンゲージメントが低い傾向があります。仕事以外の会話がなく「風通しが悪い職場」というのが、社員同士のコミュニケーションが行われない会社のことです。

エンゲージメントの構成要素には、「仲間意識」が含まれています。上司や同僚、部下と円滑にコミュニケーションが取れない企業は、仲間意識が欠けている状態であるため、エンゲージメント指数も低くなります。

正当に人事評価が行われていない

エンゲージメントが低い会社では、正当に人事評価が行われていない傾向があります。例えば、成果を出したのに周りと評価が変わらないなど、日頃の仕事との向き合い方や行動を評価してくれない場合、社員は正当な人事評価が行われていないと感じるでしょう。

正当に人事評価が行われない場合、会社は「自分の努力を認めてくれない」、「信頼できない」と捉え、貢献しても意味がないと判断してしまう結果、エンゲージメントが低下してしまうのです。

3. エンゲージメント低下の把握にはアンケートが効果的

エンゲージメントが低下していることを把握するための最適な方法は、社内アンケートです。しかし、社内アンケートには多数の方法があるため、どれが有効的な方法なのか分かりにくいかもしれません。ここでは、エンゲージメントの把握に効果的なアンケートの種類や、具体的な質問例を紹介します。

エンゲージメントの調査方法

エンゲージメントを調査する方法としては、パルスサーベイが有効です。パルスサーベイとは、1〜2分程度で答えられる10問前後のアンケートを短期間に繰り返す調査方法を指します。高頻度で調査を行い、従業員のエンゲージメントをリアルタイムで把握することが可能です。週次や月次といった頻度で実施してきます。

具体的な質問項目

パルスサーベイを実施する際には、職場の課題を発見することを目的に質問設計をしていきましょう。簡単に答えられる質問を5〜15問程度設けるのが理想的です。

エンゲージメントを把握するのに効果的な質問項目の例は以下の通りです。

・この会社を友人や知人に勧めたいですか?
・仕事を通して学び、成長できていますか?
・会社としての目的や目標について理解していますか?
・会社の目標を達成するために、自分の仕事が重要だと感じていますか?
・仕事をしていると時が経つのを早く感じますか?

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4. エンゲージメントを高める4つの方法

エンゲージメントを高める4つの方法

ここでは、エンゲージメントを高めるための4つの方法を紹介します。パルスサーベイを行って、エンゲージメントが低いことが判明した場合、これらの方法を実行してみましょう。

経営理念や企業ビジョンを浸透させる

エンゲージメントを高めるためには、経営理念や企業ビジョンを浸透させましょう。経営理念や企業ビジョンを浸透させることで、従業員も会社と同じ方向を向いて仕事をすることができるようになります。向かうべき方向が分かると、従業員が仕事のモチベーションを保つことが可能です。

また、経営理念や企業ビジョンなどの情報をオープンにすると、従業員は会社に対する不信感がなくなり、会社を信頼しやすくなるでしょう。

ワークライフバランスを推進する

ワークライフバランスを促進することも、エンゲージメントを高めるには有効的です。そもそも従業員が能力を最大限に発揮しなければ、会社に貢献することができません。能力を発揮していくためにも、ワークライフバランスを整える必要があります。

具体的にはテレワークやフレックスタイムの導入など、家庭での時間を大切にするための制度を構築したり、ストレスケア制度を充実させましょう。

コミュニケーションを取りやすい環境を整備する

エンゲージメントを高めるためには、社員同士がコミュニケーションを取りやすい環境を整備しましょう。エンゲージメントの構成要素の1つである、職場の人間関係が上手く構築できなければ、エンゲージメントを向上できません。

社内でコミュニケーションを取りやすい環境をつくるためには、1on1ミーティングを定期的に行ってコミュニケーションの機会を増やしたり、社内SNSを導入し、気軽なコミュニケーションを促しましょう。

人事評価を見直す

人事評価を見直すことも、エンゲージメント向上に効果的な方法のひとつです。従業員の努力や成果をきちんと認めることで、従業員が自分のがんばりが上司に伝わっていることや、会社に貢献できていることを把握できます。そのため、エンゲージメントが高まっていくのです。

人事評価にはさまざまな方法がありますが、おすすめを2つ紹介します。

1つ目が、360度評価です。1人の従業員に対し、仕事で関わっている上司や同僚、部下がそれぞれの立場から評価を行う方法です。また、目標管理制度とも呼ばれるMBOもおすすめの人事評価です。対象期間の初めに目標を設定し、設定目標がどれだけ達成できたかについて相対評価を行う方法です。

5. 社員の精神状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

ラフールサーベイ」は、社員の精神状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

ダウンロード資料のお知らせ

ラフールサーベイの機能や特徴を3分でお読みいただける資料にまとめました。以下からダウンロードいただけます。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

144項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で144項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

6. まとめ

エンゲージメントとは、会社への「愛着心」や「愛社精神」を指します。日本はこのエンゲージメントが世界の中でも低い国のひとつです。企業として従業員エンゲージメントをしっかりと把握し、エンゲージメントを高めるための対策を行っていきましょう。

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