エンゲージメントスコアが10点以上改善!株式会社イノーバの人事施策と「ラフールサーベイ」活用による相乗効果
株式会社イノーバ
- 活用法
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- 1on1の実施にサーベイ結果を活用
- 各部門長と、サーベイ結果からの課題を共有し、改善策を話し合う場に活用
- 他社とのスコア比較ができ、客観的に良し悪しの判断ができた
- 効果・対策
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- ショートサーベイの回答率は100%に
- エンゲージメントのスコアが10点以上改善
- 上司と部下の信頼関係が強化された
株式会社イノーバさまは、BtoB企業の顧客支援実績500社以上を誇り、コンテンツマーケティングを軸に、戦略策定からリード獲得、顧客育成までをトータルでサポートするマーケティング支援会社です。さらなる事業成長や組織拡大に向けて、リモートワーク中心の環境でも組織力を高めるために多くの人事施策を実施されています。
社内勉強会やイベント、研修をはじめ、組織改善ツール「ラフールサーベイ」の活用について、経営戦略部人事グループ 橋口奈津美さま、長友亜未さまにお話を伺いました。
ー サマリ
- 株式会社イノーバは社員エンゲージメントを高めるため、POD型組織への移行、社内勉強会・イベントの実施、組織サーベイ「ラフールサーベイ」を導入し、データドリブンな人事施策、組織改善を行っている
- 約1年で、エンゲージメント、やりがい、組織への信頼、評価、上司・同僚との関係など、多くの項目で10点以上サーベイの項目が向上
- 社員の不調の兆候を見逃さず早期対応が可能となり、サーベイ結果に基づく1on1の浸透や上司と部下の信頼関係も強化され、予防と改善がうまくまわりはじめた
一 株式会社イノーバの事業内容について教えてください
橋口さま:
イノーバはコンテンツマーケティングのサービスを提供する会社です。
海外では様々なマーケティングの手法が常に新しく生み出されていますが、日本ではまだ人に頼った営業活動が主流で、当社としては日本のマーケティング市場を広げていきたいと考えています。
適切な人に適切なメッセージを適切なタイミングで届けることを目指し、戦略立案からコンテンツ制作、マーケティング支援まで、企業のデジタルマーケティングを総合的にサポートしています。
組織課題の把握や社員のセルフケアができる点など、痒い所に手が届く「ラフールサーベイ」
一 23年に「ラフールサーベイ」を導入いただきました。導入経緯や、数あるサービスから「ラフールサーベイ」をお選びいただいた理由を教えてください
橋口さま:
サーベイ導入前より社内の雰囲気は良いと感じていましたが、客観的なデータがなく、課題のある部分への対処が後手に回っていました。社員の声をリアルタイムに収集し、改善アクションにつなげる仕組みが必要だと考えました。
また、2022年に社員数が50名を超え、法定ストレスチェックの対応が必要になったことと、とはいえ年に一回のストレスチェックでは組織改善に必要な情報に物足りなさを感じていました。
様々なサービスを検討した結果、ストレスチェックの対応はもちろん、組織改善に必要な個々人のメンタル、フィジカル、エンゲージメント状態や職場環境、衛生要因の把握、月次実施推奨のショートサーベイ機能をはじめ、セルフケアアプリなど、痒い所に手が届く機能が実装されており、「ラフールサーベイ」の導入を決めました。
一 ありがとうございます。「コンテンツマーケティングを成功させるためにはそれを支える組織づくりが欠かせない」とホームページに記載があります。貴社の組織運営で意識されていることなどはありますか?
橋口さま:
大きく2つの取り組みを行っています。
1つ目は、マーケティング部と営業部の連携強化です。
営業部で得たお客様の声をマーケティングに反映したり、マーケティングで収集したデータを営業に活用してもらったりしています。
2つ目は、23年の秋ごろから始めた「POD(Product-Oriented Delivery) 型組織」と呼ぶ小集団でのチーム編成です。
およそ5名が1組となり、特定の顧客を担当します。各PODが自律的に機能することで、チーム内でのノウハウ共有がしやすくなり、お客様の成功につなげられていると考えています。
チーム編成をする時に意識したことは、経験豊富なコンサルタントと若手のコンサルタント、ベテランのディレクターと若手のディレクターがペアになり、先輩が後輩を指導しながら同じ顧客を担当するようにしたことで、お互いに学び合える関係性を重視しました。
社内の良い変化として、以前は部署ごとに20〜25人で部会を行っていたので、人数の関係から深い議論になりにくかったと感じていました。
しかし、小集団になったことによりメンバー間で日々の気づきを共有し、アドバイスし合えるようになり、結果として心理的安全性も育まれたと思います。
当社はフルリモートですが、コミュニケーションの課題はかなり解消されたと思います。また、毎週月曜日30分ほど、オンラインで全社員が集まる研修や勉強会を実施し、普段業務での関わりが少ない他部署のメンバーとランダムにグループを作り、課題図書の感想やそれらをどのように仕事へ活かすのかなどを話し合う取り組み行っています。
この取り組みを通して、他部署への興味や理解促進に繋がっていると感じています。
「賞賛の文化」がキャリア形成・支援を後押し
一 その結果だと思うのですが、貴社は「ラフールサーベイ」のキャリアに関する点数・偏差値が他社と比較してもとても高いです。キャリア支援などで意識されていることはありますか?
橋口さま:
コンテンツマーケティングは日々情報がアップデートされているので、新しい手法を知りたい!学びたい!と、向上心や成長意欲の高い社員が多いのが理由かもしれません。
また、人事部から依頼せずとも、全社での勉強会とは別に、各部署で自主的に勉強会が行われたり、お互いにオススメの書籍を紹介し合ったりと、学びを重視する雰囲気があります。
2021年からは全社員でナレッジを共有する「ベストプラクティス発表会」というイベントを年2回実施しています。
「ベストプラクティス発表会」では、各自が実践したお客様に喜ばれた事例などを共有し、組織全体の知見としています。
事前に発表内容を提出して、予選会を行い、選考委員のメンバーが内容を審査して、選ばれた社員のみがイベント当日に発表します。
発表後には懇親会も行い、普段交流の少ない他部署のメンバーとの親睦も深めています。
一 素敵なお取り組みですね。「ベストプラクティス発表会」でのナレッジ共有は、業務でどのように活きているのでしょうか?
橋口さま:
発表された事例は各自の業務にすぐに活用できるものが多く、発表者の優れた取り組みを自分の仕事に取り入れるきっかけになっています。
例えば編集者のAIを活用した記事制作の工夫を知り、コンテンツディレクション業務に取り入れたり、他部署での効率化ノウハウを真似して生産性が向上したりと、様々な効果が生まれています。
また発表会をきっかけに、普段の業務でも他部署との交流が増え、組織のコラボレーションが円滑になっている手応えがあります。社内ではAIの活用事例なども積極的に共有されるようになり、イノベーションを促進する文化が根付いてきました。
一 一方で、社内イベントや勉強会への参加有無は多少なりとも温度差があるかと思います。参加意欲の低い方へはどのように働きかけていますか?
橋口さま:
最初は「自分には発表できるようなことが思いつかない」という反応もありましたが、上司と一緒に「この6ヶ月で成長したことはなにか」を丁寧に振り返ってもらうことで、成長実感が湧き、発表への抵抗感が少しずつ和らいでいきました。
また、社員の発表を聞くことで刺激を受け、自分も発信したい!という意欲が少しずつ高まってきたように感じます。従来より「賞賛の文化」があったので、結果として施策が良い方向に進んだと思います。
「ラフールサーベイ」をきっかけとした1on1の浸透により、上司と部下の信頼関係も強化
一 このような様々なお取り組みの成果かと思いますが、エンゲージメント数値の向上や、休職者もゼロになったと伺っています。その中で「ラフールサーベイ」はどのように活用されましたか?
橋口さま:
「ラフールサーベイ」のディープサーベイの分析結果からは、組織全体の傾向を把握できたことはもちろん、例えば社員のキャリアへの意識の高さが際立つ一方、コミュニケーション不足の部署があることが明らかになったことで、データをもとに各部門長とも課題を共有し、改善策を話し合う場を設けるようにしました。
また、自社の強みが改めて確認できたり、フルリモートによる影響でフィジカルやエンゲージメントなどに課題があると思っていたことが、他社平均と比べるとそこまで深刻な状況ではないとわかったり、実際に数字も向上していることから課題ではなくメリットだという認識を得るきっかけにもなりました。
ショートサーベイの分析結果からは、部門長が部下一人ひとりの状態変化を捉えるのに役立ち、点数が下がり始めたメンバーにはいち早く声をかけ、気にかけたり面談を行うようになりました。結果、不調の兆候を見逃さず、早期にフォローできるようになったことはとても良かったです。
サーベイをきっかけとした1on1の浸透により、上司と部下の信頼関係も強化されました。安心して働ける風土が醸成され、パフォーマンス発揮やアイデア創出にもつながっていると手応えを得ています。
一 「ラフールサーベイ」は人事の方だけではなく、管理職の方々にもお使いいただくケースが多いです。イノーバさまではどのような反応がありましたか??
橋口さま:
導入当初にラフールさまに作成いただいた初回のディープサーベイの分析レポートを管理職へ展開したところ、自部署の結果を受け止めたくないという拒否反応が起こりました。
自部署の課題に心当たりがないという反応もありましたが、正直に回答してくれているメンバーの声をしっかりと尊重しましょうと根気強く何度も伝えるようにしました。
また、ただ分析結果のデータを共有するだけではなく、一度人事側で結果を解釈した上で結果を共有することで「結果をどう生かせるか」を考え、一緒に変えていこうという姿勢で対話を行いました。
結果として、少しずつ取組みについて理解を深めていただき、管理職の方々と組織サーベイを通した会話ができるようになっていきました。
一 ショートサーベイの回答率が60% → 100%近くと、大きく改善されましたね。どのように改善されたのでしょうか?
橋口さま:
やはり組織を良くするためにはしっかりと社員の声を把握し、改善したいという思いから、回答率100%を目指して未回答者へ丁寧に声をかけ、上司からもリマインドしてもらっています。
自分の声が組織を良くするために役立つのだと、社員の意識も高まってきたと感じています。
エンゲージメント他、「ラフールサーベイ」のスコアが10点以上改善
一 約1年の運用で、エンゲージメント、やりがい、組織への信頼、評価、上司・同僚との関係など、多くの項目で10点以上サーベイの項目が向上しています。POD型組織の導入をはじめ、サーベイを活用した組織改善の成果でしょうか?
橋口さま:
しっかり改善しているのは嬉しい限りですね。運用がうまくまわっていることはもちろんですが、サーベイ結果が全社平均に比べて低い部署があったのですが、その部署の管理職がサーベイ結果を真摯に受け止めて、改善を図ってくれたことが大きなきっかけとなったように感じます。
サーベイ結果に応じた1on1の実施など、やれることをやった結果、早期に改善が見られました。その好例を他部署の管理職へ共有することで、「ラフールサーベイを活用し個人の状態をこまめに確認、声をかけること」、「感覚ではなく定量的な数字で対話すること」の重要性を浸透させる良い事例となりました。
ストレスの要因がどこにあるのか、エンゲージメント低下の要因はなんなのか、細かくサーベイで把握することで、部署、引いては個々人へ最適化したフォローが行えるようになり、サーベイの活用意義を示せたと思います。
同時に、管理職向けの成長マインドセット研修や1on1研修を2年ほど実施しており、これらが相まって良い結果が生まれはじめていると感じます。
一 うまく活用いただいている成果ですね。最後になりますが、今後の目指したい組織や目標を教えてください。
POD型組織は現在一部の部署での運用ですが、今後は全社に展開し、POD間の連携強化も図っていきたいと考えています。
若手リーダーの育成にも注力し、部門の垣根を越えて協力し合える組織を目指すことで、部門の壁を超えたコラボレーションが実現、さらなる会社の発展に繋げていきたいです。
「ラフールサーベイ」の活用も少しずつ軌道に乗ってきたので、強みはさらに伸ばし、課題は早期に解決し、組織改善のサイクルを回していければと思います。今後ともよろしくお願いします。