年商5億円、創業15年黒字成長!介護業界で高収益を実現するHTC株式会社の理念経営と「ラフールサーベイ」の活用方法とは
- 導入の背景
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- 従業員とのコミュニケーション不足によるメンタルケアの必要性を感じた
- 『何となく』で感じていた組織課題を、具体的に見える化したい
- 気付き・変化
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- サーベイの結果を踏まえて行動が変わった
HTC株式会社さまは、北海道札幌市を中心に10拠点の介護事業を展開し、年商5億円、創業から15年で年商は25倍に成長し、全店黒字化を実現しています。HTC株式会社の他社には真似できない強みは「人」にありと話すのは同社代表取締役 臼井宏太郎さま。職員のエンゲージメントを高め、 高収益を実現するHTC株式会社の人材育成と組織サーベイ「ラフールサーベイ」の活用について、代表取締役 臼井宏太郎さま、取締役本部長 須藤友明さまにお話を伺いました。
ー サマリ
- 介護事業を展開するHTC株式会社は、理念浸透を経営の根幹に置き、職員のエンゲージメント向上に注力している
- 同社では「ラフールサーベイ」を活用し、職員の状態を可視化・改善するPDCAサイクルを回している
- 「頑張った分だけ正当に評価される」人事制度の構築と適正な運用により、職員のモチベーション向上を図っている
─ HTC株式会社の事業内容について教えてください
臼井さま:当社は、北海道札幌市を中心に介護事業を展開しています。主力事業はデイサービスを中心とした通所介護で、現在7店舗を運営しています。それ以外にも、訪問看護ステーション、看護小規模多機能型居宅介護、居宅介護支援事業所を各1店舗ずつ展開し、トータルで10拠点体制で地域の介護ニーズに応えています。
私たちは「利用者さまにとっても、働くスタッフにとっても第二の『我が家』」をコンセプトに掲げ、アットホームで家庭的な雰囲気の中で、一人ひとりに寄り添ったきめ細やかなサービス提供を心がけています。
事業規模としては、おかげさまで設立から15期連続の増収を達成しています。介護報酬の改定など、事業環境が厳しさを増す中でも、黒字経営を持続できているのは、ひとえに現場の職員が日々尽力してくださっているおかげだと感謝しています。
一方、介護業界全体で見ると、約49%の事業所が赤字に陥っているのが現状です。その中にあって、当社は開設したデイサービス全店舗で黒字化を実現しており、現在平均利益率30%と高収益体質を実現しています。
介護業界に必要な「理念浸透」
─ 介護業界において職員の”エンゲージメント”を高めることは難しいと聞きます。貴社では事業を営む上で「理念浸透」が大切だと伺っておりますが、そうお考えになった経緯や背景を教えてください
臼井さま: 介護業界で職員のエンゲージメントを高めるのが難しいというのは、まさに仰る通りです。その背景には、仕事のハードさに見合わない処遇の低さ、人手不足に起因する長時間労働、精神的・肉体的負担の大きさなど、様々な構造的な課題があるのは事実です。
一方で、私は介護の仕事には他のどの業界にも負けない大きなやりがいがあると感じています。利用者さまの笑顔に接した時、ご家族から感謝の言葉をかけていただいた時、そこにはお金には代えられない大きな喜びがあります。
但し問題として、日々の多忙な業務に追われるなかで、職員がそうした介護の本質的な価値や尊さを見失ってしまいがちなこと。ここに、エンゲージメント低下の一因があるように感じています。
だからこそ、「理念浸透」を大切にしているのです。会社が目指すべき方向性、なぜ私たちがこの仕事をしているのか、その意義や目的を、全ての職員が明確に胸に刻んでいれば、多少の困難があってもブレることなく前を向いて進み続けることができる。そのように、私は考えています。
この事業に関わる全ての人がwin-winの関係になれる、そんな組織を作り、地域や介護業界に貢献していきたいという思いから「我が家に関わる全ての人の幸せ」という理念を作りました。
なにか判断に迷った時は理念に立ち返り、それを羅針盤として正しい方向に舵を切り直す。全社員がそうした意識を共有できている状態を、私たちは「理念経営」と呼んでいます。介護の仕事に終わりはなく、利用者さまに喜んでいただくために、質の高いサービスを提供し続けるために、職員一人ひとりが常に高いモチベーションを保ち続けなければなりません。
その意味で、理念浸透は私たちにとって経営の根幹をなすものだと言っても過言ではありません。これからも現場に寄り添い、職員との対話を重ねながら、理念経営の深化を図っていく考えです。
「ラフールサーベイ」を社内の理念浸透・エンゲージメント向上施策の中核に据え、組織づくりを強化
─ 2022年より、「ラフールサーベイ」を導入いただきました。「理念経営」をより深めるために、サーベイツールの導入に至ったのでしょうか?また数あるサービスの中から「ラフールサーベイ」をお選びいただいた理由を教えてください
臼井さま: 先ほどお話ししたように、私たちは職員のエンゲージメント向上を経営の重要課題の一つと捉えています。理念を社内に浸透させていく上では、職員一人ひとりの声に耳を傾け、不安や不満、モヤモヤを早期に汲み取ることが何より大切だと考えているのです。
そこで従来から、職員との1on1ミーティングを定期的に実施し、コミュニケーションの活性化を図ってきました。しかし、職員数の増加に伴い、管理職の目が行き届かない部分が出てきたのも事実です。
また、対面での面談では、職員の本音を引き出しきれていないケースも少なくありませんでした。職員の心の内を可視化し、エンゲージメントの状態を定量的に把握するための仕組みが必要だと感じていたタイミングで出会ったのが、「ラフールサーベイ」でした。
他のサーベイツールも検討しましたが、最終的に「ラフールサーベイ」を選んだ決め手は大きく2つあります。
1つは、設問内容の充実度の高さです。
介護・医療の現場で働く職員の実情をよく理解した上で設計されているのが伝わってきました。介護の仕事の難しさは、予定調和のサービスでは対応しきれない点にあります。常に変化する利用者さまの状態に合わせてケアの方法を柔軟にアレンジしていく、一人ひとりに寄り添った対応が求められるのです。
「ラフールサーベイ」は、そうした介護の特性をしっかりと捉えた上で、専門性の高い設問を用意してくれています。おかげで、職員の仕事観、価値観、人間関係、仕事のストレス度合いなど、多角的な視点からエンゲージメントの状態を測定できるようになりました。
2つ目は、システムの使いやすさです。
介護の現場は慢性的な人手不足に悩まされており、職員の業務負荷はかなり高い状態にあります。そんな中でサーベイを実施するには、できる限り職員の手間を最小限に抑える工夫が欠かせません。「ラフールサーベイ」は、直感的に操作できるシンプルな画面設計で、職員の学習コストをミニマムに抑えてくれます。アンケートの回答もスマートフォンから簡単に行えるので、隙間時間を活用して効率的に運用できているのは助かっていますね。
それから、ラフール社の担当者の方の熱意にも大変感銘を受けました。介護事業者の実情を本当によく理解した上で、私たちに寄り添い、時にはヒントやアドバイスも提供してくださる。そうした誠実な対応姿勢にも強く惹かれ「ラフールサーベイ」を採用しました。
おかげさまで現在は、「ラフールサーベイ」を社内の理念浸透・エンゲージメント向上施策の中核に据え、組織づくりのPDCAを力強く回すことができています。
─ エンゲージメント向上施策の中核に据え、運用いただいているのは大変嬉しいお言葉です。では実際の「ラフールサーベイ」の活用方法を教えてください
須藤さま:「ラフールサーベイ」の具体的な活用方法ですが、当社では主に2つの施策を展開しています。
1つ目は、ショートサーベイの分析結果を職員一人ひとりの個人面談に活かす取り組みです。
当社では月に1回のペースでショートサーベイを実施していますが、その結果を踏まえ、部下と向き合う時間を定期的に設けるよう管理職に義務付けています。マイナスな項目がある職員、点数の変動が大きい職員を「要注意者」と位置付け、特に重点的にフォローしていく体制も整えました。「ラフールサーベイ」の結果に基づいて面談対象者を絞り込むことで、管理職の業務効率化にもつながっています。
また、面談で出た職員の悩みや意見は、エンゲージメント向上のための施策立案に役立てています。現場の生の声を改善活動に活かすことで、風通しの良い組織風土の醸成を図っています。
2つ目は、ディープサーベイの分析結果を組織全体の改善に活用する取り組みです。
半年に1回実施しているディープサーベイは、項目ごとにより詳細な設問が用意されているので、組織課題の深堀り分析に最適です。当社では、各事業所の責任者が自拠点の結果を分析し、評価の高い項目・低い項目の背景にある要因を考察します。それをもとに、自事業所の強み・弱みを洗い出し、マネジメント上の成功事例や失敗事例をまとめていきます。
そうしてできあがった分析レポートを各事業所から持ち寄り、半年に一度、全社の管理職が一堂に会し議論します。各事業所の評価結果を持ち寄り、自由闊達に議論を交わすことで、悩みの共有や課題解決のためのアイデア発掘を行います。
パフォーマンスの高い事業所の取り組みをヒアリングし、自拠点の改善に役立てる。逆に、他拠点の改善提案を得て、自拠点の課題を解決する。そんな学び合いの場として、この会議は大いに機能しています。
また、こうした議論を通じて、事業所を越えた社内の人脈形成も進みます。その結果、普段の何気ない業務の中でも「こんな課題が出てきたから、A事業所のB管理者に聞いてみよう」といった具合に、部門の垣根を越えた相談が活発に行われるようになってきました。事業所間の交流が進み、組織がどんどん風通しの良いものになっていく。そうした変化も、「ラフールサーベイ」導入の大きな成果の一つと感じています。
「組織への信頼」に必要なのは、双方向のコミュニケーション
─ 「ラフールサーベイ」での以下のデータがとても素晴らしいと感じました。
・9割以上の職員が、会社の経営指針に満足
・経営信頼があり、会社全体に情報が浸透している
工夫されている点、実際に取り組んでいることをお聞かせください
臼井さま: 9割を超える社員から「経営理念への共感」「組織への信頼」が寄せられていることは、私たちにとってなによりの喜びであり、誇りです。介護という仕事は、職員ひとりひとりが現場で直接利用者さまと向き合うことで成り立っています。
つまり、職員がモチベーション高く働ける環境を整えることが、質の高いサービス提供の大前提になります。その意味で、前述しましたが、エンゲージメント向上は私たち経営陣の最重要課題の一つと言えます。
具体的な取り組みとしては先ほどお話しした職員による理念プレゼンテーションを長年継続してきたことが挙げられます。各事業所から選出されたスタッフが、自分の言葉で理念の意義を説き、具体的な実践方法を提案する。その内容を全社で共有し、議論を重ねるPDCAサイクルを回し続けてきました。
おかげで職員の理念への理解は年々深まり、実際の行動変容にもつながっています。
加えて、入社半年後のスタッフを対象とした理念研修では、私から直接、会社の方針や戦略をオープンに説明する場を設けています。数字の背景にある狙いや想いを丁寧に伝えることを心がけており、それが職員の納得感・安心感につながっているのだと感じています。
また、各事業所でも責任者が定期的に業績推移を共有したり、課題解決に向けた議論の場を設けたりと、徹底した情報公開を実践しています。トップの思いが末端まで浸透し、現場の課題や要望が経営にダイレクトに伝わる。そうした双方向のコミュニケーションあってこその「組織への信頼」だと考えています。
─ 最後に、介護業界では職員のエンゲージメント向上が難しいと言われている中で、サーベイツールを活用するメリットや、効果的な使い方についてお聞かせください
臼井さま :理念浸透というのは、会社の目標や理念を一方的に押し付けるのではなく、スタッフ一人ひとりの幸せを実現することが大切だと考えています。そのためには、まずはスタッフが何を求め、何を感じているのかを会社や上司が理解することがなによりも重要です。
その意味で「ラフールサーベイ」はスタッフの求めているものや感じていることを点数やコメントという目に見える形で可視化してくれる、非常にありがたいツールだと感じています。正直、私たちにとっては武器にもなっていますね。
従業員の幸せのためには、ひとりひとりがなにを求め、メンタルやフィジカルなど今どういう状態なのか、会社がしっかりと把握する必要があります。今まで感覚でしかつかめなかったものが、「ラフールサーベイ」で可視化できるようになったメリットは非常に大きいですね。