従業員満足度(ES)調査とは?おすすめのアンケート項目を解説

従業員満足度(ES)調査とは?おすすめのアンケート項目を解説

従業員満足度調査は、「魅力ある職場づくり」における重要な取り組みとして政府も推進している調査です。

とは言え、

「従業員満足度ってどんな風に調査したらいいの?」
「満足度向上につながる調査を行いたい」

このように取り組み方に悩む方も多いかもしれません。そこで今回は従業員満足度調査について以下の項目について紹介します。

・従業員満足度調査の目的
・調査におけるおすすめのアンケート項目
・アンケートの集計や分析方法

より効果的な従業員満足度調査の取り組みを検討している方はぜひ参考にしてください。

1. 従業員満足度(ES調査)の目的とは?

従業員満足度の概要と4つの目的を紹介します。基本的な知識について改めて確認しておきましょう。

従業員満足度の概要

従業員満足度とは、仕事内容や職場環境など組織に勤めていること自体に対し従業員が抱いている満足度を表す概念です。従業員満足度は英語でEmployee Satisfactionと表されるため、頭文字をとってES調査とも呼ばれます。アメリカでは1930年代から調査が行われており、日本では1960年代に論文が発表され、注目が集まった歴史があります。従業員満足度は様々な目的を持った調査として高い関心が寄せられ、2018年には大手企業の3割が調査を実施しているという報告も上がっています。

従業員満足度調査の4つの目的

従業員満足度調査を行う4つの目的がこちらです。

①社員の自社に対する満足度を把握する
②社員が会社に意見できる機会を提供する
③組織の課題や問題点を特定する
④課題解決のための施策の効果を検証する

1つずつ詳しく解説します。

①社員の自社に対する満足度を把握する

社員が感じている自社への満足度を明確に把握する目的で調査が行われます。個々が感じる満足度は表面上には表れにくく、日々の業務や面談だけで把握するのは容易ではありません。調査によって従業員の心情が可視化されるため、社員個々が感じている自社への満足度が明確に捉えられます。調査の集計結果を分析することで、効果的な人材育成や明確な課題解決につながるでしょう。

②社員が会社に意見できる機会を提供する

面談など直接対話が行われる機会では、萎縮しやすく率直な発言ができない社員もいるでしょう。率直な意見が伝えられない環境が続くと不満は徐々に大きくなり、満足度にも影響を及ぼしかねません。満足度調査は担当者や上司と顔を見合わせず行われるため、多くの社員にとって意見を伝えやすい機会となります。社員の率直な意見を集められることによって、これまで見えなかった課題が見出される可能性もあるでしょう。

③組織の課題や問題点を特定する

調査の実施によって社員が抱える満足度や率直な意見を集計でき、組織の課題や問題点を特定する目的を持ちます。具体的に「コミュニケーションが不足している」「長時間労働に悩んでいる」など経営陣や人事からは見えにくかった課題を特定できます。調査で見つけ出された課題に改善策を打ち立てることによって、将来的に従業員満足度を上げるきっかけにもなるでしょう。

④課題解決のための施策の効果を検証する

満足度調査は従業員の心情の変化を捉えられるため、課題解決策の効果を検証できます。解決策は実施による効果が把握できなければ、課題の根本の解決とは言えません。満足度調査は従業員の心情を可視化できるため、施策の結果が出たかどうかを検証することが可能です。その検証結果からさらに改善につなげることもでき、より効果的な課題解決を実現できるでしょう。

2. 従業員満足度調査におすすめのアンケート項目

従業員満足度調査におけるおすすめのアンケート項目がこちらです。

・仕事満足度
・職場環境満足度
・上司満足度
・処遇満足度
・経営満足度

1つずつ具体的な内容を紹介します。

仕事満足度

仕事を通じた全体的な満足感に関する項目です。仕事へのやりがいや自分自身が成長している実感、仕事の量が適切かといった内容が挙げられます。

具体的な質問内容はこちらです。

Q.現在の職務は、自身の成長のつながっていると思う
Q.私は、やるべき仕事がいつもある
Q.私は、顧客への真剣な対応が仕事のレベルを上げると考えている

職場環境満足度

自身が働いている職場環境への満足度に関する項目です。職場の人間関係や風通しの良さ、協力体制が整っているかといった内容が挙げられます。

具体的な質問内容はこちらです。

Q.私の部署の人々は皆チームとして働いている
Q.もし困難に陥った時には同じ部署のメンバーから助けを期待できる
Q. 私は職場では文化や言語、宗教、性別の違いを尊重しあっている

上司満足度

上司の対応や言動への満足度に関する項目です。上司との関係性やマネジメントスキル、上司が掲げる方針に賛同できるかといった内容が挙げられます。

具体的な質問内容はこちらです。

Q.私の部署の上司は効果的なフィードバックや指導をしてくれる
Q.私は仕事上の問題が発生した際に上司に遠慮なく話ができる
Q.私の部署の上司は私に仕事に関わる決断を下す機会を与えてくれる

処遇満足度

会社から付与される処遇への満足度に関する項目です。評価や給与、手当、福利厚生などに関する内容が挙げられます。

具体的な質問内容はこちらです。

Q.私は社員として利用可能な福利厚生の内容を熟知している
Q.私は良い仕事をした際に正しく認知され適切な報酬を与えられている
Q.私は社内における人材配置や人材募集の手順が公正であり、高い能力があれば昇進も公平に行われていると信じている

経営満足度

会社の経営方針やビジョンへの満足度に関する項目です。経営理念や業績、将来性などに関する内容が挙げられます。

具体的な質問内容はこちらです。

Q.私は会社の理念や目標について十分に理解している
Q.私は会社への参加感がある
Q.私は会社が提供する商品やサービスに誇りを持っている

3. 従業員満足度調査のアンケート集計・分析方法

従業員満足度調査のアンケート集計・分析方法

従業員満足度調査におけるアンケートの集計・分析には2つの方法があります。

・単純集計
・満足度構造分析(相関係数)

それぞれ確認しておきましょう。

単純集計

単純集計(Grand Total)とは、質問項目ごとに合計を集計しパーセンテージを算出する集計方法です。この集計方法は、回答全体の傾向を把握する際に適しています。

例えば、仕事の満足度について従業員150人に調査した場合の単純集計の方法がこちらです。

回答人数
とても満足している3020.0
満足している4530.0
どちらとも言えない3020.0
あまり満足していない2013.37
満足していない2316.67

このように、1つの質問ごとに回答の大まかな傾向を把握することが可能です。

満足度構造分析(相関係数)

満足度構造分析とは相関係数とも呼ばれ、満足度を高く回答した人がどの質問に対し高い回答をしたのかを分析する方法です。この分析方法によって、従業員の各質問項目への重視度合いを把握することができます。従業員がどんな質問を重視しているのかを把握できると、満足度に対する改善点が見出しやすくなり、結果として課題や問題点の特定につながるでしょう。

4. 社員の精神状態の可視化に役立つツール ラフールサーベイ

「ラフールサーベイ」は、社員の精神状態を可視化することのできるツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

144項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で144項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

・部署
・男女
・職種
・テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

5. まとめ

今回は従業員満足度調査について以下項目を中心に紹介しました。

・従業員満足度調査の目的
・調査におけるおすすめのアンケート項目
・アンケートの集計や分析方法

従業員満足度調査は、表面上は見えにくい従業員の心情を可視化でき、魅力ある職場作りに欠かせない取り組みです。より効果的な調査を実施するためには、目的に沿った適切な質問の設定や集計・分析方法が必要となります。まずは自社における調査を行う目的を明確にし、質問内容や集計・分析方法を検討してみましょう。

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