マネジメント能力とは?管理職初心者のよくある悩みとスキルをつける方法

「企業の大きな成果にはマネジメント能力が必要」

こんなことがよく言われており、実際に管理職に就くとマネジメント能力を求められます。マネジメント能力はチームを率いる管理職こそ必要で自らの評価にも繋がる重要な能力です。

しかし、

「マネジメント能力って具体的にどんなこと?」

「チームとしての成果に繋げるためにはどうしたらいいんだろう」

と思い悩む管理職の方も多いかもしれません。

そこで今回は、マネジメント能力で求められる具体的なスキルや管理職初心者ならではの悩みを解説し、マネジメント能力を高める方法をまとめてご紹介します。

取り入れやすい方法ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

関連動画:組織が拡大するときに直面する課題を解決 組織問題のスコア化と管理職意識の育成のポイント

1.マネジメント能力とは 

マネジメント能力を正しく理解することで方向性がブレず、より効果的な能力を発揮できます。ここでは比較対象として上げられるリーダーシップとの違いを示しながらマネジメント能力の概念を紹介します。

マネジメント能力とは

マネジメント能力を直訳すると「管理する能力」であり、物事を管理、運営する能力を指します。その物事とは部下である「人」や経営資源である「お金」「情報」「環境」などを指します。マネジメント能力は人によって管理する対象が異なり、管理職であれば「チームの成果」、経営者であれば「事業全体」になります。

リーダーシップとの違い

マネジメント能力とリーダーシップは同様に捉えられやすいものの、その意味は異なります。リーダーシップは「人」にフォーカスし、チームや組織を率いることを指しますが、マネジメント能力は「人」を含めた「経営資源」全体を対象とし管理するスキルを指します。つまり、マネジメント能力は総合的な対応力を駆使し目標達成を求められる能力です。

2.マネジメント能力に必要不可欠な3つのスキル

マネジメント能力_3つのスキル

マネジメント能力は「人」を率いるだけでなく「経営資源」全体を管理し目標を達成することで成果を上げるスキルです。このような能力を発揮するためには身につけておきたい必要不可欠なスキルがあります。それがこちらの3つです。

・人を育てるコーチングスキル
・目指す方向性を示す目標設定・意思決定スキル
・最大の成果を上げるスケジュール管理スキル

1つずつ具体例を詳しく紹介します。

1.人を育てるコーチングスキル

コーチングスキルは、相手の潜在的な能力を引き出し行動を後押しする「人」を対象としたスキルです。個々が持つ能力を引き出し強化することで、一人ひとりのパフォーマンスが向上されます。引き出した個々の特性を考慮し業務を振り分けることで効率良く作業が進みます。このような取り組みをチーム全体で実現できれば、チームとしての成果も最大化することにつながります。部下を支え、束ねる立場である管理職だからこそ、「人」を育てるコーチングスキルはマネジメント能力に必要不可欠です。

2.目指す方向性を示す目標設定・意思決定スキル

目標設定・意思決定スキルは、チームの目指す方向を決定し、部下が適切な業務に取り組める「環境」を整えるスキルです。管理職は上司が示した方針を部下に伝え、チーム内での目標を設定しなければなりません。その過程では、異なる意見の対立や新たな案の検討などの意思決定が求められます。適切な目標設定や意思決定ができないと、部下が不安を感じる環境が生まれ、パフォーマンスの低下にもつながりかねません。チームを率いる立場として、組織の方針に沿った明確な方向性を示すことは、働く「環境」を整え、チームとしての成果を最大化させる必要不可欠なマネジメント能力です。

3.最大の成果を上げるスケジュール管理スキル

スケジュール管理スキルは、目標と現状を照らし合わせ最大の成果が出るように予定を調整するスキルです。例えばチームでプロジェクトを遂行する際に管理職は、全体の時間や人数などを想定した上で進捗管理を行うことが求められます。プロジェクトは予算や期間が条件として決められていることが多いため、上手く業務スケジュールをコントロールできなければ失敗というリスクも考えられます。また状況は事前に想定した通りに進まないこともあるでしょう。そのため、どんな状況でも柔軟に対応できるよう常に目標と現状を照らし合わせ、様々な状況を想定し対策を立てる必要があります。決められた期間や、なるべく最短で最大の成果を上げるスケジュールを管理できるとマネジメント能力も大いに飛躍します。

3.マネジメント初心者が陥りやすい悩み

マネジメントを任され始めた管理職初心者にとって、「思ってたより上手くいかない」と思う場面は多いもの。その中でも特に陥りやすい悩みが以下の5つです。

・年上部下との付き合い方
・部下の育成
・部下が思うように動いてくれない
・部下のやる気を引き出せない
・プレッシャーが増える

実はこういった初心者が陥りやすい悩みは、マネジメント能力によって解消することが可能です。ここからは1つずつ悩みの具体例と解消方法を併せて解説していきます。

年上部下との付き合い方

部下の中でも、年上の部下との関係性は特に悩ましいもの。年齢を考えると指示や指摘をしにくく、遠慮がちな指導では業務も思うように進みません。そんな時こそ、管理職としての役割を全うすることで年上の部下は心強い存在になり得ます。年上だからという考えではなく、チームの一員としてどんな業務を任せることが適正かを考えます。その人ならではの良い特性を見い出し、適切な役割を与え認めることで良好な人間関係も構築されます。年上の部下の存在は日頃から良い人間関係が築かれていることで、困った時には自分にはない経験や知識で手助けしてくれるでしょう。

部下の育成

これまでプレイヤー側であった場合は特に、管理職として部下の育成方法に行き詰まりやすい傾向があります。例えば、部下を育てようと問題点を指摘し叱るものの部下は納得しているようには見えず、一方的に怒っている感覚に陥ることがあります。これは、指摘したことを相手が気づきとして受け入れていない状況です。本来叱るとは、相手に気づきを与え行動や成長のきっかけとなることを指しますが、一方的な指摘では人間関係の悪化にもつながりかねません。そのため、部下を育成する際には予め管理職としての考えを適切に伝え理解してもらうことが必要です。具体的には、チームのビジョンを達成するために、部下本人の良さを活かした役割の必要性を伝え理解を得られている状況を構築しておくことです。部下自身がチームの目標達成において自らの存在を肯定できている状況であれば、指摘された注意点も部下自身の腑に落ちます。

部下が思うように動いてくれない

チームとしてビジョンや目標を立てたものの部下が思うように行動してくれないと、先行きに不安を感じますよね。その場合、部下がそのビジョンや目標をきちんと解釈できていない可能性が考えられます。会社の方針やチームの目標を示した際に、部下によっては自分の業務とかけ離れた大きな目標だと感じてしまうことがあります。目標を伝える際には部下個人の業務がチームの中でもたらすメリットや、それがチームの目標達成に近づく理由を合わせて伝える必要があります。その際に数字や、最終的にチームとしてどんな未来を得られるのかを具体的に伝えるのも良いでしょう。部下がチームの目標を自分の中で落とし込めれば、目標を達成した際のワクワクした気持ちや前向きな気持ちになり、自然と自分がやるべき行動を起こします。

部下のやる気を引き出せない

部下自身がやる気を持って能動的に動いてくれず苦悩したことはありませんか?部下と親しい関係が築けても、自発的な行動が見られず結局指示してしまい部下の育成に不安を感じる方も多いかもしれません。このような場合は、部下のモチベーションを高める機会を増やすことが重要です。具体的には定期的なミーティングにおいて、部下の意見を積極的に取り入れる意見交換の時間を設けましょう。部下が意見を発しやすいよう、きちんとした意見だけでなく日頃の悩みや不安なども聞き入れることを心がけてください。考えを受け入れ認めることで部下の自己肯定感は強まり、自ら考え行動を起こすきっかけになります。また日頃から結果だけでなく過程における行動や工夫を褒めることで、部下のモチベーションは高まります。モチベーションが高まる機会が増やすことで、やる気を持って能動的な行動を起こすようになりチーム全体で作り上げる結果を生み出せます。

プレッシャーが増える

管理職は上司からチームとしての成果を求められるため、その分プレッシャーも増大します。また部下の仕事にも責任を持つなど、様々な要因で心理的な圧迫を受けていませんか?そういった悩みは決して一人で解決しようとはせず、マネジメント能力を発揮する機会と捉えましょう。成果を上げるために自分一人が動くのではなく、信頼できる部下を育て上げ業務を任せるという役割を全うするのです。部下一人ひとりの特性を引き出し伸ばすことで、各々の特性に適切な業務を任せることができます。チームとしての成果を上げるためには有能な組織を作り、運営するマネジメント能力が鍵となります。

【関連動画】組織問題のスコア化と管理職意識の育成のポイント

4.マネジメント能力を高める方法 

マネジメント能力を高めるためには日々実践を通し経験を積むことが大切です。ここからは日頃から取り入れやすく実践しやすい5つの方法を紹介します。

・自分の考えをメンバーに伝える
・ページングや傾聴をメンバーとの日頃のコミュニケーションに取り入れる
・メンバーのスケジュールを把握する
・相手を認める
・自分自身のストレス解消法を知る

1つずつ具体的な方法を含めて紹介します。

自身の考えをメンバーに伝える

自らの考えを部下に伝えることで部下との間に共通認識が生まれ、同じ方向性を目指すまとまったチームを作り上げることができます。例えば部下に指示を出す際に単なる業務として伝わってしまうと、取り組む部下は作業としてしか業務に取り組めません。しかし指示に併せてその指示を出す理由や考えを伝えることで、部下は問題を意識した状態で業務に取り組め、結果として部下自身も同じ問題を乗り越えているチーム性を実感できます。指示を伝える時以外でも日頃から今ある問題や悩みを打ち明けることで、部下にとってはチームの一員として承認されている感覚が生まれます。リーダーの考えを共通認識として共有し意識させることで、同じ方向を目指すチームを作り上げることにつながります。

ページングや傾聴をメンバーとの日頃のコミュニケーションに取り入れる

相手に合わせたペースで話を聞き入れる傾聴の姿勢は相手との信頼関係を生み、部下を育てるマネジメント能力を高めます。ページングとは相手に同調することを言い、対話は相手の話すペースに合わせることを意味します。傾聴は熱心に興味深く聴く姿勢を言い、ページングと合わさることで相手の心を開きやすくします。具体的には相手の話すトーンに合わせた反応や相手の使った言葉を繰り返す相槌をベースに、話の途中で口を挟むことなく最後まで話を聞き入れます。日頃からこのようなコミュニケーションを意識して行うことで、部下にとって上司は自分の話を受け入れ理解してくれると認識できるため、ミーティングにおいても意見交換が活発な環境を生み出します。

メンバーのスケジュールを把握する

部下のスケジュールを把握できていると業務の全体像を見渡すことができ、優先事項を決定できます。部下に任せた業務の進行度合いは、内容や適性、他の予定との兼ね合いなど様々な要因によって異なります。各々のスケジュールをその都度把握しておくことによって、マルチタスクを防ぐことや作業の分配ができ、チームの業務を円滑的に回すことができます。そのためには部下のスケジュールを共有する仕組み作りや、簡単な日報や週報を提出してもらい記載内容から業務の見直しを検討すると良いでしょう。また日頃から業務に負担や悩みはないか声をかけることは、部下本人から声が上がり業務の多重化を防ぐことに効果的です。

相手を認める

部下一人ひとりの思考や存在を受け入れ認めることは相手に存在承認を与えることができ、信頼感のある関係性を構築できます。話し合いの場で意見を伺うことももちろんですが、日頃から相手を認める行為は簡単に取り入れることができます。例えば、挨拶をすることや名前で呼ぶこと、相手の変化に気づき伝えることなどです。自分は認めてもらえていると感じられる職場は部下にとって居心地が良く、リーダーに対する信頼も生まれます。

自分自身のストレス解消法を知る

管理職は自分に合ったストレス解消法を知っておくと気持ちに余裕が持て、部下のストレスにも気づきケアしやすくなります。自分自身にストレスがある上で周囲の問題にも気を配ることは難しいため、チームの向上を目指す上ではまず自身のストレスを解消することが大切です。例えば、理想と現実のギャップから生まれるストレスには、理想の姿を見直すことがおすすめです。これまでの理想に囚われず様々なリーダーの形があることを知り、自分に近いタイプを目標にすることで、ギャップに悩むよりも具体的に近づく方法を目標として捉えられます。自身でストレスを解消できるようになると、部下が同様の悩みを抱えた時には具体的なアドバイスができ、部下のストレスケアにも役立ちます。

関連動画:組織が拡大するときに直面する課題を解決 組織問題のスコア化と管理職意識の育成のポイント

5.社員マネジメントに役立つツール 

ラフールサーベイは、「社員の状況の把握・分析」や「職場/チームの状況に応じた改善策提案」をしてくれる、社員マネジメントに役立つツールです。従来の社内アンケートなどでは見えにくい心の状態などを可視化することで、社員が安心して働ける環境づくりのお手伝いをします。

ダウンロード資料のお知らせ

ラフールサーベイの機能や特徴を3分でお読みいただける資料にまとめました。以下からダウンロードいただけます。

社員が安心して働ける環境づくりは、企業の成長・拡大のための土台となります。まずは、社員一人一人にとって居心地の良い職場を整え、人材の定着と組織改善に繋げましょう。

ラフールネス指数による可視化

組織と個人の”健康度合い”から算出した独自のラフールネス指数を用いて、これまで数値として表せなかった企業の”健康度合い”を可視化できます。また、他社比較や時系列比較が可能であるため、全体における企業の位置や変化を把握することも可能。独自の指数によって”健康度合い”を見える化することで、効率良く目指すべき姿を捉えることができるでしょう。

直感的に課題がわかる分析結果

分析結果はグラフや数値で確認できます。データは部署や男女別に表示できるため、細分化された項目とのクロス分析も可能。一目でリスクを把握できることから、課題を特定する手間も省けるでしょう。

課題解決の一助となる自動対策リコメンド

分析結果はグラフや数値だけでなく、対策案としてフィードバックコメントが表示されます。良い点や悪い点を抽出した対策コメントは、見えてきた課題を特定する手助けになるでしょう。

144項目の質問項目で多角的に調査

従業員が答える質問項目は全部で144項目。厚生労働省が推奨する57項目に加え、独自に約87項目のアンケートを盛り込んでいます。独自の項目は18万人以上のメンタルヘルスデータをベースに専門家の知見を取り入れているため、多角的な調査結果を生み出します。そのため従来のストレスチェックでは見つけられなかったリスクや課題の抽出に寄与します。

19の質問項目に絞り、組織の状態を定点チェック 

スマートフォンで回答ができるアプリ版では、特に状態変容として現れやすい19の質問項目を抽出。質問に対しチャットスタンプ風に回答でき、従業員にとっても使いやすい仕組みです。こちらは月に1回の実施を推奨しており、組織の状態をこまめにチェックできます。

適切な対策案を分析レポート化

調査結果は細かに分析された上で適切な対策案を提示します。今ある課題だけでなく、この先考えられるリスクも可視化できるため、長期的な対策を立てることも可能。課題やリスクの特定から対策案まで一貫してサポートできるため、効率良く課題解決に近づくことができます。

部署/男女/職種/テレワーク別に良い点や課題点を一望化

集められたデータは以下の4つの観点別に分析が可能です。

・部署
・男女
・職種
・テレワーク

対象を絞って分析することで、どこでどんな対策を打つべきか的確に判断できるでしょう。また直感的にわかりやすいデータにより一目で課題を確認でき、手間をかけずに対策を立てられます。

6.まとめ

マネージャーに求められるマネジメント能力はチームの成果を導く重要な能力です。チームを率いて結果を出すためには様々なスキルをに身につける必要があります。
マネジメント初心者の方には本記事を読み返してぜひスキルアップに役立ててください。

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